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精神分裂病における意味の発見

スイスのチューリッヒ大学で、助手としてブロイラーより教えを受けたユングは、医師としての経験を経た後、フランスのピエール・ジャネ(1859?1947)より心の力動的把握を学んだ。"The Psychogenesis Of The Mental Disease"  において彼は,ジャネ、フロイト、ブロイラー等様々な人々の仕事を挙げ、自分の臨床経験も判断材料につけ加えながら、統合失調症についての考察を進めている。  統合失調症の患者の意識は外界の環境によって決定的な影響を受け、また内面のある考えに突如として強迫的にとりつかれた。連想においては、患者は音の類似性、もしくは表面的な言葉のつながり等に専ら沿って連想をすすめた。(一般人では、何か別のものに注意を逸らされながらなるべく速く連想語句を口にするよう要求された際に、似たような結果が出た。)  ユングはジャネのいうabaissement du niveau mental、心的水準の低下に着目し、フロイトの夢分析において述べられている意識の「圧縮」機能、すなわち感情記憶、言葉、イメージ等の連関作用が、患者の場合必要以上に緩んでしまったために、統合を欠いているのだと考えた。  また、精神医学者として精神分裂病の患者の言動を詳細に観察研究していたユングは、当時、「狂気」の故の無意味な反応と見なされていた分裂病の患者の理解不能な言動が、決して「無意味」ではなく、その患者が過去に体験した重要な事件を象徴しており、「意味」があることも発見した。
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ブロイラーの説では、精神の要素の有機的統合が乖離分解して、快復困難となっているのが分裂病である。しかし、乖離してもなお「意味」がその言動に残っているということは、精神分裂病患者の言動が、まったく無意味ではなく、何らかの方法を通じて了解可能であることを示唆する。精神の乖離は、心のどこか深い領域で、なお有機的な意味連関を維持していることになる。

ユングは精神分裂病の治療に光明を与えた先駆けと見ることができる。精神分裂病者独特のメッセージの理解をしようとする姿勢は、一定の効果を有し、精神分裂病者が「この人なら理解してくれる」という人と向き合えた時に精神分裂病者 であることをやめる、といったユングの洞察は、後にR.D.レイン[3]等によって評価された。

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2009年06月08日 11:53に投稿されたエントリーのページです。

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